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よく都会は汚いところだとか、怖いところだという人は沢山いる。
だけどおれは田舎の方が落ち着かない。視界を遮る木々の群れ、喧騒とはかけ離れた静けさ。誰かに見られているような、森が迫ってくるような、そんな圧迫感が、ものすごく嫌いだ。
故に、じいちゃんの家も嫌いであった。
スローライフとか、そんな言葉が似合うド田舎。スローすぎて、頭がおかしくなりそうなのだ。
夏休み、久しぶりにそんなじいちゃんの家を家族で訪ねることになった。
一昨年はおれの受験で、去年は弟の受験で来ることができなかった。ちなみにおれのは高校受験だが、名門私立の小学校に幼くして通い近所からも秀才と呼ばれていた弟は、「もっとぼくにあった学校に行きたい」とのことで中学受験である。
弟がそう言わなくても、母さんはもっと上のレベルへと中学受験をハナからさせるつもりだったみたいで、「あんたはお金がかからないように公立にしなさいよ!」と言われた。弟が受験する1年前に。
別にそんな母さんや弟が嫌いなわけではないが、その時は流石に壁に穴を開けたくなるくらい腹が立った。まぁ、痛いのは嫌いだからやらなかったけど。
話がずれたが、とにかくじいちゃんの家に向かっていた。
ばあちゃんは3年前に死んでいて、心配したおじさん一家が一緒に暮らしている。
じいちゃんは結構な高齢で、だから父さんができるだけ会いに行きたいと言うのは分かるし、それを止める権利はおれにはない。だから本当は首都圏から出たくなかったおれも渋々ながら付いてきたというわけだ。
じいちゃんの家に向かう、木々に挟まれた薄暗い古道を、車はガタゴトと音を立てながら揺れる。
この時はすれ違う木々の視線を、狭い道のせいにしていた。
「近いから怖いのだ」と。
だけど、本当は気が付いていたかもしれない。
まぁ、気が付いていたとしても、どうにもならなかったことだと思うけれどね。
<続く>
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初めていらした方は、「はじめに」という記事を読んで下さいねw
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