小さな失望の詩

「こんなはずじゃなかったのに」

一体ぼくは何度この言葉を呟いただろう

それはまるで呪文のように
過去を振り返る扉となる

思わずつぶやいた言葉は
後悔とか　今への失望とか

そんな大層なモノは含ませたつもりじゃないのに
色濃くぼくの影に覆いかぶさる

これからどうしたらいいかなんて分かっているのに
出来ないから

根性無しだと言われれば苦笑いするしかないし
勇気がないと言われれば目をそらすしかない

「こんなはずじゃなかったのに」

ぼくに対するぼくの失望

今を上手く生きているやつなんてそうはいない
だけど　ぼくは人より下手に生きてきた

努力もしないで　時に任せて

「こんなはずじゃなかったのに」

言えば簡単

自分の口からでる　もっともヒドイ　軽蔑の言葉

どうすればいいか分かっているのに
やらないぼくは　消えたくなる

「こんなはずじゃなかったのに」

小さくつぶやいて　小石を蹴った

転がる先は　どこだろう

かっこ悪い生き方なんて　かっこ良くてぼくには出来ないから
明日も溜息ついて　走るのだ

小さな諦めと失望の言葉を　空に浮かべて気がつくんだ

＊あとがき＊
過去の自分が想像してた今の自分って、全然違ったりしませんか。