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物語とか詩みたいなのを書き綴っちゃったりしているブログです。
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あらすじ
2010.02.08 (Mon)

「ひょうたん少年」

これはタイトル決定です。
変わるかもしれませんが^q^(え


*あらすじ*
都会生まれの都会育ちである渉は大の「田舎嫌い」であった。
山や木々に囲まれ、人の気配のない圧迫感。
決して逃げることのできない場所へ来てしまったかのような、そんな緊張感。
文明から離れた世界は、恐ろしいものに感じるのだ。
そんな渉が夏休みにド田舎にある祖父の家で、ひょんなことから「ひょうたん」を手にしたとき、古の気配の残る山の「人間ではないもの」たちが次々と姿を現し始める。
「おれ、霊感ないのに。大自然パワー、こえぇー」と渉は呟き、ひょうたんを片手に数々の困難へ立ち向かっていく。
そして美少女は「あなたのおかげなのよ」と微笑む。
従妹は「子供扱いしないでよ!」と叫ぶ。
弟は「…」無言である。

渉が彼らと対峙し、自分の言葉を思い出すとき、夏休みは緩やかに下降していくのだった。





******


あらすじが上手く書けなくてごめんなさい(ジャンピング土下座)
精進します・・・;;
興味を持っていただけると嬉しいです!
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前噺→http://humiaki.blog.shinobi.jp/Entry/31/

   *      *

 息が詰まるような狭い道を抜け、開けたと思った瞬間、じいちゃんの家はもう見えていた。
 「渉(わたる)、悠季(ゆうき)起こして。おじいちゃんの家にもうすぐ着くから」
 母さんに言われ、おれは隣で寝ている弟を起こす。
 「おい悠季、起きろ。じいちゃんちだぞ」
 ちいさく弟は呻くと、ゆっくりと瞼を重たそうに上げた。
 「…もう着いたの?」
 「いや、まだ。でももう見えてる」
 窓の外には見なれたビル街ではなく田園風景が広がっている。ゆっくりと窓の外に目を向けた弟が、感嘆の声を上げる。
 「うわぁっ!!すごーい!やっぱり安心するなぁ」
 爺臭いことを言う弟を尻目に、「お兄ちゃんは不安だよ」と呟いてみた。
 父さんが車を止めると、タイヤが砂利を踏む音も止まる。
 「さー、着いたぞ」
 それを合図に飛び出していく弟。おれはいきなり外から音と空気が入ってきて、気押される。
 車という閉じた世界も、田舎の一部に吸い込まれていく感じ。
 鳥の声とか風の音とか、「郊外」と呼ばれるくせに「公害」と呼ぶ音が一切しない。都会より冷たい空気が頬に刺さる。都会育ちで敏感肌であるおれには、こもった空気が出て行き、清々しい空気が車の中を占領し始めているのがよく分かる。
 母さんに「早く降りなさい!カギ閉められないでしょ!!」と怒られるまで、おれは車から降りることができなかった。文明の利器から離れてしまうのに後ろ髪が引かれる思いだったから。
 重い腰を上げて出てみると、ホラー映画で舞台になる、何が起きても逃げることのできない場所に来てしまった気分。
 「うーわー…大自然こえぇー」
 思わず呟くと、母さんが「ほんと田舎よねぇ~」と横で言う。どちらかというと、母さんも都会の方が好きなのである。父さんと弟は自然にまみれる方が好きみたいで、よく外に遊びに行くが、母さんとおれは家で留守番していた。本来住みたい場所が違うのに、結婚した父と母。男と女は永遠に謎である。
 
 「よく来たなぁ!!」
 大きな声がして視線を上げると、おじさん一家が門まで出迎えに来てくれていた。
 「兄貴、元気してた?」
 「こっちは大自然のお陰で元気、元気!!悠季か?大きくなったなぁ」
 父さんに返事をしながら、おじさんは品定めを始める。おれたち兄弟がどれほど大きくなったか。
 悠季は身体が小さくても頭が良いし、外へよく遊びに行くから弱々しいわけでもない。下手にいじり様がない。だからおれに回ってくるのだ。
 弟の頭に手を置くのが品定め終了の合図。おじさんはゆっくりと視線をおれにずらすと、「おぉ!渉かぁ!!」とにこやかに近寄ってくる。
 内心「くんな、こっちくんな」と思いながら、満面の笑みで挨拶を返す。口の端が引きつっているのは見逃してほしい。
 おじさんと二人きりにされたくないのに、母さんはおじさんよりも先に近寄ってきていたおばさんと「荷物運ぶの手伝いますよ」「あぁ、すみません。お願いできます?」なんて会話を切り口に、花を咲かせながら荷物を運んでいく。
 「よぉ、お前は縦にだけ大きくなったなぁ!!」
 「あぇ、はぁ、まぁ、お陰さまで」
 「はっきりと挨拶できんのか!これだから都会の子供はなぁ。ゲームばっかしてるから、こんな細っこいんだ」
 おれは特別細いわけでもないし、標準体重である。ちなみにゲームはあるが、どちらかというと弟が占領していた。
 「じゃぁ、おまえんとこの子供はどんだけ横にでかくなったんだ」と頭の中で返して、実際は「いやー、都会の子供も結構大変ですよ~」とあくまで笑顔。
 「ふんっ」とおじさんは鼻で笑うと、思いっきり背中を叩いてくる。
 「ほら、お母さん達を手伝って来い!」
 おれは返事をしないで逃げるように母さんたちを手伝いに行った。



 <続く>
        
   
前噺
2010.01.30 (Sat)




 よく都会は汚いところだとか、怖いところだという人は沢山いる。
 だけどおれは田舎の方が落ち着かない。視界を遮る木々の群れ、喧騒とはかけ離れた静けさ。誰かに見られているような、森が迫ってくるような、そんな圧迫感が、ものすごく嫌いだ。
 故に、じいちゃんの家も嫌いであった。
 スローライフとか、そんな言葉が似合うド田舎。スローすぎて、頭がおかしくなりそうなのだ。
 
 夏休み、久しぶりにそんなじいちゃんの家を家族で訪ねることになった。
 一昨年はおれの受験で、去年は弟の受験で来ることができなかった。ちなみにおれのは高校受験だが、名門私立の小学校に幼くして通い近所からも秀才と呼ばれていた弟は、「もっとぼくにあった学校に行きたい」とのことで中学受験である。
 弟がそう言わなくても、母さんはもっと上のレベルへと中学受験をハナからさせるつもりだったみたいで、「あんたはお金がかからないように公立にしなさいよ!」と言われた。弟が受験する1年前に。
 別にそんな母さんや弟が嫌いなわけではないが、その時は流石に壁に穴を開けたくなるくらい腹が立った。まぁ、痛いのは嫌いだからやらなかったけど。
 話がずれたが、とにかくじいちゃんの家に向かっていた。
 ばあちゃんは3年前に死んでいて、心配したおじさん一家が一緒に暮らしている。
 じいちゃんは結構な高齢で、だから父さんができるだけ会いに行きたいと言うのは分かるし、それを止める権利はおれにはない。だから本当は首都圏から出たくなかったおれも渋々ながら付いてきたというわけだ。
  
 

 じいちゃんの家に向かう、木々に挟まれた薄暗い古道を、車はガタゴトと音を立てながら揺れる。
 この時はすれ違う木々の視線を、狭い道のせいにしていた。
 「近いから怖いのだ」と。
 
 だけど、本当は気が付いていたかもしれない。
 
 まぁ、気が付いていたとしても、どうにもならなかったことだと思うけれどね。




<続く> 

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